騒音トラブルを回避するために知っておきたい!注文住宅の防音対策ガイド
注文住宅を建てる際、快適な生活を守るには防音対策が重要です。隣家や外部からの音が気にならない環境を作ることで、騒音トラブルを未然に防止できます。本記事では、防音に関する基本知識や、家を建てる際に取り入れたい具体的な対策方法を紹介します。今後、注文住宅を建てる予定のある方は、ぜひ参考にしてください。
騒音の種類について
騒音にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。以下で、主な3つの種類の騒音について解説します。
空気音
まず、空気音とは、空気を介して伝わる音を指します。空気音は私たちの日常生活に密接に関わるもので、外から聞こえる犬の鳴き声、遠くで鳴る雷の音、救急車のサイレンなどが典型的な例です。
上記のような音は、外部の音源から空気を通じて直接私たちの耳に届くため、住宅密集地ではとくに気になる騒音の一種です。
固体音
固体音は、地面や壁、床などの固体を伝わってくる音です。たとえば、家のなかを歩くときの足音、水回りの配管から伝わる音、隣の家から聞こえてくるピアノの音などが個体音に該当します。
固体音は物体を振動させ、振動が伝わる現象によりで発生するので、空気音に比べて直接的な衝撃を感じやすい点が特徴です。集合住宅や隣接する家屋では、壁や床を介して伝わる生活音が騒音の原因となります。
混合音
混合音は、空気と固体の両方を通じて伝わるため、騒音としての影響力が強いケースが多いです。近くで工事が行われているときの音や、大型トラックが家の前を通過する音が混合音に当たります。
工事の音は、ドリルやハンマーの打撃音が空気を通じて耳に届くと同時に、その振動が地面や壁を伝わって家全体に響く場合があります。
また、大型トラックが通るときの音も、エンジンの音が空気を通して直接聞こえるのに加え、地面や道路を振動させ、その振動が建物を通じて同時に伝わるので、騒音が強く感じられます。混合音は、一度に複数の経路から音が伝わるため、騒音としての影響が大きく、対処が難しいとされています。
防音対策は新築時に取り入れよう
防音対策は、日常の快適な生活を守るために重要な要素です。防音工事には、比較的簡単にできるものもあれば、既存の壁を解体したり、建物の構造自体を強化する必要があるケースもあります。
後から、大規模な工事が必要になる防音対策を施す場合、一般的には時間や費用が大幅にかかります。しかし、新築時に防音対策を計画的に取り入れておくと、余計な費用をかけずに建物の構造に合わせた効率的な対策が可能になります。
新築の段階では、壁や床、天井などの建材選びから施工方法まで、最初から防音設備を組み込んだ設計が可能です。防音対策が施されているため、後から追加の工事を行う必要がなくなり、トータルでの費用を抑えられるというメリットがあります。
また、防音性能が高い家は、外部からの騒音を遮断するだけでなく、室内の音が外に漏れにくくなり、プライバシーの確保にもつながります。以上から、防音対策を考えている場合は、なるべく新築時から取り入れることを強くおすすめします。
新築時に効果的な防音対策とは?
新築時に取り入れる防音対策は、住み心地を大きく左右します。以下で、効果的な防音対策を4つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
気密性と断熱性を高くする
気密性が高い住宅は、外壁がしっかりと外部の音を遮断し、さらに断熱材がその音を吸収するため、騒音を室内に伝えにくくします。断熱材は本来、熱を遮る役割を持っていますが、音の吸収効果も期待できるため、気密性と断熱性が高い住宅は全体的な遮音性にも優れています。
防音性能の優れた建築構造を選ぶ
最初から防音性能の優れた建築構造の選択も大切です。RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の防音性能が高いとされているのは、鉄の骨組みにコンクリートを流し込んで作られる構造のため、密度が高く、音を伝わりにくくする特性を持っているからです。こうした構造の選択により騒音対策の効果が一層期待できます。
間取りを工夫する
また、間取りの工夫も忘れてはいけません。リビングのうえに子ども部屋を配置すると、2階からの足音や生活音がリビングに響きやすくなります。その場合、家族が長時間過ごすリビングの真上に騒音が発生しやすい部屋を配置しないようにするなどの工夫で、上階からの騒音を防止できます。
また、トイレや浴室、洗濯機などの水回りは音が発生しやすいので、水回りをリビングや寝室から遠ざけ、隣家との距離が近い場所に配置しないような工夫が、屋内外の騒音トラブル防止に役立ちます。
各部屋ごとの騒音対策を実施する
窓は、音の出入り口として大きな影響を与えるため、大きさや配置の工夫が重要です。音は空気を介して伝わるため、窓を遠くに設けたり、二重窓を採用すると、音の漏れや侵入を防止できます。また、家のなかで楽器を演奏するなど、特定の場所での防音が必要な場合は、防音室の設置もひとつの選択肢です。
まとめ
騒音問題を回避し、快適な生活環境を維持するためには、騒音の種類を理解し、それに合わせた防音対策が重要です。とくに新築時に防音対策を取り入れることで、後からの大規模なリフォームを避けつつ、効果的な遮音性を確保できます。防音性の高い建築構造や間取りの工夫は、遮音性だけではなく気密性や断熱性を高め、騒音対策に大きく貢献します。将来の快適な暮らしを考慮し、計画段階からしっかりと防音対策を検討しましょう。
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